nyankoの妄想自作物語

各お題を元に自作物語を綴る...。

「わたしの宝物」たちへ贈りモノ

お題「わたしの宝物」f:id:nyankomi:20210821044929p:plainたちへ贈りモノ

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はじめに...
ルーレットのお題を元に、自作の物語を綴っております。素人の妄想ですので、大きな心でお読み頂けたら幸いです🍀

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EP2(第2話)

「忌明け」

人が亡くなった日を1日目とし、翌日を2日目と数えて49日(中陰=ちゅういん) この忌明けの日に「四十九日法要」行う。と、辞書には書かれていた...。


キャメロン・ディアス似のロン
アン・ハサウェイ似のアン
ケイト・ウィンスレット似のケイ

キアケ=忌明け

こじつけのような言葉遊びで寂しさを埋めていた...。


ケイの「ケ」が無くなったら、「忌明」明けないんだから「四十九日法要」は出来ないじゃない。そしたらまだ一緒にいられる⁉️子どものような思考に走っても、現実は変わらない。朝日が登り、日が沈みを繰り返すだけで「その日」は近付いていく。


近年では、初七日と四十九日の法要を略式で済ませてしまう人が増えているというが...ケイの家族の希望で近親者のみで儲けられているらしい。


まだ、心の整理がつかない。それはロンも同じだが、経営している会社のトラブルは待ってはくれないようだ。だが、仕事をしている方が...気が紛れるかもしれない。解ってはいても出来ないのだ。何も手につかない...。だってもう彼女の笑顔に会えないなんて...再会なんてしなければ良かった...と涙が頬を伝う。


もう随分泣きはらしたのに涙は渇れる事は無いのか⁉️マブタが腫れてダルいのか眠いのか解らず、いつ寝ていつ起きたのかさえ覚えていない。ただ目頭の熱さと、涙か鼻水か区別のつかない感触を感じる...を、繰り返している...。


インターフォンが鳴っているのに気付きモニターを覗くと、そこには見知らぬ女性が笑顔で手を振っている。こちらでモニターを見ている事は相手には解らない設定にしてある為...「この人ずっと手を振っていたのかしら⁉️怖っ😱」と呟き居留守を決め込む事にした。


しばらく様子をみていると...何かを察したように鞄から写真を取り出した。赤ちゃんを抱いたアンが映っている写真をモニターに押し付ける。そしてこの赤ちゃんが自分だとジェスチャーしていた。思考回路が停止して一瞬固まったが、理解が追い付き彼女を招き入れた。


至近距離まで迫ると、急に感情の波が押し寄せて...くしゃくしゃの顔でご対面を果たした。しばし抱き合っていたが背中を2回叩かれ ハッとする。それは「ケイ」の癖だったから...。驚いた顔を見て彼女は首をかしげた。今まで無意識にやっていた...と、自分の中に母を感じて喜び、カレンと名乗った。


「誰かに似ていると言われない⁉️」と、訪ねると...スカーレット・ヨハンソンの名が出た。納得の容姿であったが、気付くと「他には⁉️」と、また聞いていた。しばし考えたカレンは...「母にはロンさんに似ていると言われていました」と返ってきた。


スッキリ晴れやかな気分になったアンは「やっぱり!」と「雰囲気が似ているのよ~」と盛り上がる。一気にテンションが上がり、お土産のケーキと珈琲の準備を始めた。何日ぶりかの光景だろうと気付いた時にはケーキ箱が空になっていた...。


ここで始めて我に返り、カレンが訪ねてきた経緯に気付いた。仕事が抜けられないロンが心配し、カレンに訪問を頼んだのだと...。不思議と憤りは無く、カレンの明るさが心地よかった。その夜はpizzaを頼み泊まる事になった...と、アンが時間を見計らってロンに連絡をすると、安堵し明日には合流出来ると言っていた。


後からロンに聞いたのだが、カレンの前に追い返されたロンの部下は...アンの鬼のような形相を見たと怯えていたという...。ロンには想像がついたのでフォローしといたよ。とウインクしていた。ロンの会社から時々通訳の仕事を貰っていたので「助かったお礼」と、珈琲をロンに手渡す。


久しぶりの食事がpizza。消化不良になりそうだが、笑顔は敵なし!ペロッとたいらげてデザートは別腹に...。気になる2人の話題は⁉️カレンの恋バナ。やはりこの手の話題が1番盛り上がる。女子トークも先輩ならではの秘話が登場するが、時代を感じる。流行りの曲も台詞もギャップは否めない。それでも盛り上がるのが女子トークなのだ。女子には解らない男同士の会話があるように...。


翌日、ロンが合流すると騒ぎは2倍に...。カレンの携帯から流行りの曲を流し、ダンスを2人にレクチャーする。日頃運動不足の2人は明日の筋肉痛を心配しながらもアルコールの力でイケイケだった。絶え間ない笑い声と共に...。


ロンがテイクアウトしてきた料理たちが空になる頃には、どっぷり夜もふけていた。アルコールのピッチが早かったカレンが寝落ちしロンがウトウトしているとアンが毛布をかけて回る。ロンが目を開け水を飲みに立ち上がると、カレンも目を開けた。


うっすらと遠くの空が明るくなり始めた...。窓越しにその光景に見とれていた...。3人とも同じ事を考えていたに違いない。


「わたしの宝物たちへの贈りモノ」...と、笑顔のケイがドヤ顔をしている...。


順番にロンとカレンを見ると同じ動きをしていたので、3人で爆笑した。


ケイが調子の良い日に...庭でお茶をした時、私たちに向けられた言葉とドヤ顔。カレンにとっては、写真の裏に書かれたメッセージと母の思い出。それぞれの「わたしの宝物たちへ贈りモノ」がシンクロした...。



そうして忌明けを迎える...


また。わたしの宝物たちへ贈りモノ...よ...。と、聞こえた気がして空を見上げた。


ロンとカレンを思い浮かべ
「ちゃんと受け取ったよ」
と、空に向かって叫んだ。


ロンとカレンが駆け寄ってくる。

涙は無く笑顔で見送れた。

空は晴天...。

さぁ。踏み出そう...。

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最後まで読んでくださってありがとうございます。
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